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37shells m*blog

It's not the number one who will come out alive
It's the freak in the corner with his eyes on fire
Let's kill music, before it kills us all
Dave Gahan & Soulsavers - Imposter
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    デイヴ・ガーン&ソウルセイヴァーズの新譜で全編カヴァー・アルバムの『Imposter』をApple Musicで聴き始めてから3週間が過ぎた。もう何回連続でプレイしたことだろうか。とうとうひとつひとつの歌を意識して歌い始めるところまで来てしまった。

    元々知っていた曲は数曲しかなかったが、YouTubeなどで新たに元曲やその歌詞を調べて聴くことになり、デイヴとの違いを確かめながら味わったりしている。「この歌たちが僕だけでなく、みんなにとっても大切になるといい」とブックレットに書かれている通り、まんまとデイヴの術中にはまったというところだろう。

     

    たぶんデペッシュ・モードのファンの中には、彼がこのような選曲をするとは思っていなかった人もいるだろう。特に新鮮だったのがブルースへの傾倒である。ここ数年ソウルやR&Bを聴くことが多くなっていた私には大歓迎だった。

    実は、一番最近気に入ったのがジェイムス・カーという人で、Apple Musicのプレイリストで聴いて気に入り、「The Dark End Of The Street」という1曲だけダウンロードしていた。まさかデイヴがその曲をアルバムの1曲目に持ってくるとは! 運命を感じて思わず変な声が出てしまった。とにかく、バカな一ファンである私にとってはとてもうれしいアルバムなのである。

     

    最初にプレイボタンを押した瞬間から、包み込むようなデイヴの声に全身の力が抜けてしまい、泣きたいような、うれしいような、安堵するような、でも高揚するような複雑な気分で延々と聴き続けた。その間何も手がつかず、どこでストップボタンを押したらいいかもわからなかった。今もほぼ同じ状態である。ループ再生にしておくと、最終曲の「Always On My Mind」と、最初の「The Dark End Of The Street」がこれまた上手くつながる。そしていつも気がつくと3巡くらいしているのだ。

     

    雑誌やYouTubeでデイヴのインタビューを見ると、収録曲はどれも個人的に大事にしてきた曲で、「他人の曲なのに俺の人生をよく表している」と語っている。さらに、独特の雰囲気を持つカリフォルニアのシャングリラ・スタジオで制作するうちに、なんとなくひとつのストーリーの流れができてきて、曲順を大事にしたらしい。つまりこのアルバムはデイヴの半生のそれぞれのステージを如実に表していると言っても過言ではないようだ。

     

    古くからのファンならよく知るところだが、デイヴは1996年にヘロインとスピードボールのオーバードーズで2分間心停止するまでに追い込まれている。Steve Malinsという人によるデペッシュ・モードのバイオグラフィー(1999年に書かれ、2001年に改訂された)によると、その直後は全く歌えなくなり、かなり回復に時間がかかった(その間バンドは彼の心身の状態が良いときにヴォーカルのみ別録りしたりして、なんとかやり過ごしていたらしい)。完全に復活したのは『Exciter』が作られた頃だという。

     

    同バイオグラフィーによれば、デイヴは割と早く、幼なじみの女性ジョアンと結婚し、ちょうどデペッシュ・モードのドキュメンタリー映画『101』の撮影をしていた頃、息子ジャックが生まれた。しかし長いアメリカツアー中ということもあって、テレサ・コンロイというスタッフの女性と関係を持ち、彼女の影響でヘロインに溺れるようになる。その後彼はジョアンと別れてテレサと結婚したが、大きく人生の道を踏み外すこととなった。

     

    麻薬禍が高じてくるとテレサとのすれ違いも多くなり、関係も悪化して離婚。前述のオーヴァードーズによる臨死体験後、立ち直ってバンド活動を続けるため、デイヴは麻薬中毒のリハビリセンターに通い始める。そこで出会ったのが現在の妻で女優のジェニファーである。

     

    『Exciter』はジェニファーと結婚し、娘ステラ・ローズを授かった頃に録音されたものだが、「When The Body Speaks「Goodnight Lovers」の2曲で彼は珍しくやわらかい声で歌っている。前者は、生まれたばかりのステラ・ローズを腕に抱いている感覚で歌った、とのことだったが、彼の素の優しさが伝わってくるようだし、彼が肉体的にも精神的にも立ち直ったことを、声が証明しているようで印象的に残る。

     

    しかし通常、デペッシュ・モードではマーティンの書いた曲を歌うことが多いためか(最近はデイヴも貢献しているが)、割と彼の声は低音域で、インパクトが強く、真っ直ぐである。もしかしたら、マーティンはヴォーカルも楽器の一部と考えているのかもしれない。もちろん、デイヴは特に不満を漏らすこともなく曲に完璧にフィットする独自のパフォーマンスを展開し、バンドを世界的な成功に導いてきた。

     

    ところが『Imposter』でのデイヴは、その呪縛から解き放たれたかのように自由に歌い、その声は時に弱々しかったり、最大限にシャウトしたり、高いトーンを出したりと変化に満ちており、実は声だけで人を惹き付けて離さない、才能に満ちあふれたシンガーだったことを露呈している。デペッシュ・モードのアルバムやデイヴの他のソロアルバムを聴く限り、彼にここまで表現できるとは私は思っていなかった。ものすごく意表をつかれた気分だし、聴いているだけで次から次へといろいろな感情が引き出されきて涙腺にくる。これぞシンガーの中のシンガーの仕事なのではないか。

     

    つい最近までSSWに比べてシンガーは低く見られがちだった気がするが、誰の作品であろうと、曲の世界を声で最大限に表現し、聴く人に確実にメッセージを届けるというシンガーの能力は、曲を書く能力に決してひけをとらないものだと最近思う。彼もそれに気づいたのかもしれない。

     

    コロナ禍でどこにも出かけられない中、私は当然のことながら音楽を聴くことで自分を慰めていたが、実感したのは人の声こそが人を癒やすということである。ソウルやブルース、ジャズ、果ては民族音楽や昭和歌謡を聴いていたのはそれが理由で、崩れそうになる心を人の声のぬくもりによって支えられていたと言っても過言ではない。

     

    このアルバムは2019年に録音を終えているので、デイヴがコロナ禍に苦しむ人たちに捧げようと思って制作したわけではないのだが、私には、2年間頑張ってきたことへ対してのご褒美のように感じられ、思わず涙してしまった。まるでデイヴに「よく頑張ったね」と言われているような気がしたのである。

    そして思ったのだ。デイヴも私も、生きていて良かったな、と。

     

    1996年に起こったデイヴの2分間の死を、私は当時雑誌で知ったが、文字を読んだ時の、胸のあたりが凍ったような感覚を今でも覚えている。もしかしたら大好きなバンドが終わっていたかもしれないという絶望と、生きていてくれたという安堵がいっぺんにやってきた、ファンとしてはひとたまりもない瞬間であった。もしあのとき、「デイヴ・ガーン死亡」と書かれていたら、どんな気持ちだっただろうか。彼がこんなにすごいシンガーとして年を重ねてくれたことに、感謝しかない。誰に感謝したらいいのだろう。彼自身か、彼を立ち直らせた家族か、支えたメンバーやファンか、それとも雲の上にいる、人ではない誰かか。

     

    一曲一曲感想を述べたらキリがないが、聴くたびに震えてしまうのが3曲目の「Lilac Wine」(ニーナ・シモンやジェフ・バックリィが歌った)で、「I feel unsteady」と歌う部分。「僕は不安定だ」と歌う弱々しい声に、デイヴはやっと自分の弱さを認められたのか、と思って泣かされる。弱い自分を受け入れた者は強い。往々にして、年齢を重ねればそうならざるを得ないが、若い頃のデイヴだったら絶対に人に聞かれたくなかっただろうな、と思う。そして冷静にこの歌を歌える彼はもう幸せなのだという確信が湧いてきて、さらに深く魂を揺さぶられるのだ。

     

    最初に気に入ったのが7曲目の「Shut Me Down」(ローランド・S・ハワード)。これも、ひどい言葉を投げつけられ振られた男が道ばたで立ち尽くし、それでも相手をあきらめきれないという、考えてみればめちゃくちゃみっともない歌詞であるが(身も蓋もない表現すみません)、ものすごくリアルに光景が浮かんでくる。退廃的な低音がいい。

     

    6曲目の「Metal Heart」(キャット・パワー)もいい。これは自分を捨て去った相手に対する恨み節だが、デイヴがデペッシュ・モードの最新アルバム『Spirit』に書き下ろした「Poison Heart」と背景が共通すると思う。以下は私の勘ぐりだが、双方とも、2番目の妻テレサに向けられている気がする。「金属の心をおまえは隠しもしない/金属の心、おまえには何の価値もない/今どんな気持ちだ? 言ってみろ/自分の気持ちすらわからないんだろう?」

    キャット・パワー版を後で聴いてみたら曲調がまったく違うので驚いた。

     

    また、聴きこむたびに好きになるのが、10曲目の「Desperate Kingdom Of Love」(PJ ハーヴェイ)。これは恋愛でバカになっている状態の曲である(身も蓋もない表現ほんとすいません、でも間違いないと思う)。おまえといられるなら何でも引き受ける、みたいな覚悟の歌で、かっこいい。PJ ハーヴェイの元曲を聴いてみたらアコースティック、しかもとても静かな曲調である。

    この2曲はデイヴとソウルセイヴァーズ版の方が詞の世界を活かしていると思う。元曲を書いた2人も喜んでいるのではないだろうか。

     

    PJ ハーヴェイといえば、だいぶ前ではあるが、息子のジャックから教えてもらい好きになった、と言っていた気がする。そして印象的なジャケット写真(スタジアムに入るところか、その逆か?)を撮影したのは娘のステラ・ローズ・ガーンである。重責を背負ってまばゆい光の中に出ていく、あるいは1人の人間に戻る男をこれ以上よく捉えた写真ってないんじゃないか。しかも彼の内面の孤独まで表している気がする。素晴らしい才能だと思う。

     

    スタンダード・ナンバーが入っているのもファンとしては驚かされたところで、12曲目の「Always On My Mind」(エルヴィス・プレスリー版で、ペットショップボーイズ版ではないとデイヴは言い切っている。そして現在の奥さんであるジェニファーのために歌ったとも)もいいけれど、やっぱり個人的には9曲目の「Smile」(チャールズ・チャップリン)である。

     

    どんなにつらい状況にあっても、微笑むことができれば明日にはきっと希望が見えるという歌詞だが、最初に私の涙を搾ったのはこの曲だった。人間、そこそこ長く生きていれば、どうしたってつらい状況にぶち当たる。そんな時でも喜びを見つけて前を向くことの大切さを、そんな場面をいやというほど経験しただろうデイヴが歌うからこその包容力と説得力がある。

     

    そしてこの2年間、私たちも皆小さな楽しみを見つけてなんとか微笑み、耐えてきたのではないだろうか。そろそろコロナの第6波が見えてきてしまったが、この曲を聴くと負けるものかという気持ちになってくる。

     

    穏やかな浜辺をドライブする光景が見えるようなレイド・バック感がたまらない2曲目の「Some Strange Religion」(マーク・ラネガン)は、これぞシャングリラ・スタジオの魔法がかかった曲かもしれない。デイヴは浜辺のホテルに泊まり、朝散歩のあとでスタジオに向かっていたそうだ。

     

    女性を傷つけてしまった男の後悔を歌う5曲目の「Man Needs A Maid」(ニール・ヤング)、変われない自分を嘆く歌詞だが、なぜか希望が見える12曲目の「Not Dark Yet」(ボブ・ディラン)など、皆名曲だけあって深く聞き飽きない。曲自体の良さもあるだろうが、まるでオリジナル曲のように洗練させたデイヴとソウルセイヴァーズの演奏の力によるところもとても大きいと思う。このチームでもっといろいろな曲が聴きたい。ロッキング・オンのディスクレビューでも、ぜひシリーズ化して欲しいとライターさんが書いていたが、私も全く同感である。現在の彼になら、歌いこなせない曲はそうないはずだ。

     

    今こそが偉大なるシンガー、デイヴ・ガーンの誕生なのである。

    | disc review | 13:50 | comments(0) | - | - | - |
    Bryan Ferry @ Bunkamura Orchard Hall, Mar. 13, 2019
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      大阪を午後2時台に発って、5時に東京に到着。よく考えれば品川で降りれば良かったんだが、荷物の発送とか色々あったので東京まで行きまた渋谷にとんぼ帰り。

       

      「文化村」オーチャードホール

      このような格式の高いところでロックのライブを見るのはこれが初めてです。

      入り口ですでに迷いました…。入ってびっくり。やはりかなり大きい!

      席はそんなに前でも後ろでもない、結構いいポジションでした。

       

      やはりクラシックなどの催し物が多いホール、ロックのお客さんが来るのが不安なのか、開始前から

      「きちんと席で見るように。はみ出してはいけない。もっての他ですぞ」

      というお達しを、30代くらいの男性係員が声を枯らして叫んでいる。

      延々叫び続けてるし、なんか、初めから規則を破るような言いぐさなので、かなり神経に障った。

      ロックファンが犯罪者みたいじゃないですか!?

      しかもまだ会場の半分も席が埋まっておらず…。これは開演前にアナウンスで行った方が効果的じゃないでしょうかねえ。

      あまりにウザイので荷物を置いて思わず外へ。ういう所はトイレに行くのが面倒なので、気になって開始前に2回も行ってしまった……。

       

      お客さんは大阪と同じオールドファン中心。またまた物販に長い列が。みなさん元気だなぁ……。

      ここで物販の「パンフレット売り切れました!」という声が。

      ガーン。パンフ売ってたんだ(たいがい、大きなコンサートでは売ってますよね…。私が大きなコンサートに全く来ないだけの話です…)。

       

      ワイシャツ・ネクタイの上にフェリー先生Tシャツを着てニコニコしているご重役を見かける。微笑ましいなあ……。私も思わず並ぼうかと思ったけど、大阪でお金を使いすぎたのでやっぱり無理です……。

       

      ライブハウスのようにドリンクチケットがない代わりに、カフェエリアがあって、ワインなども飲めるようになっていた(と思う)。ほとんど人はいなくて、音楽関係者と思われる方が外国の方とおしゃべりをしていた(たぶん見ればどなたかわかったかもしれませんが、もうフェリー先生にしか関心がないのでとっとと退散)。

       

      19時ちょうどに客電が落ちる。

      立っていいのか悪いのかわからないんだけど、やっぱり皆さん立ちませんね。最初の方の曲で立ったら、前の方が全部座ってらっしゃるので「うわー」と思う。畑にひとりで立ってるみたい。目立ちすぎる!!(笑)

       

      ここでいきなり甦る古い記憶……。

       

      そう、1984年、武道館でのAvalonツアー。私は若人として参加していた(かなり後ろの席だった)。Avalonツアーですので、当然踊るものだと思っていて、友達とともに最初の一曲から立って踊っていた。しかしほとんどの方が座っておられ、やりにくいことこの上なかった(無理もない。その頃まだあまりオールスタンディングのライブハウスは日本には少なかったので)。特にお客さんに何か言われはしなかったのだが、直後に坂本龍一氏がラジオか何かで「変な客が増えたな」と。

       

      それ私たちのことか? と思ってうろたえたんだけど……もしかして、

       

      今座っておられる方々は、あのとき座っておられた先輩方………!!!!

       

      その節は大変申し訳ありませんでした……(笑)

       

      私も旅の疲れがかなりあったんで、静かな曲のときは迷わず座らせていただきましたよ。椅子があると、やっぱり楽ですねえ。ありがたいありがたい。

      でもずっと座っているのも無理。ロキシーのアップテンポの曲は大体立って崩壊してました。ちょうど隣の方がいらっしゃらなかったので、良かったです……。

      結局、通路にはみだしておじさん達踊ってるし!!!(笑)

      (しかし通路側だったら私もやる……)
       

      セットリストは大阪と全く同じ。

      https://www.setlist.fm/setlist/bryan-ferry/2019/orchard-hall-tokyo-japan-6b921e22.html

       

      ↑Avalon。どなたか知りませんが、ありがとうございます。

       

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      | live review | 13:26 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      Bryan Ferry @ Namba Hatch, Mar. 11, 2019
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        また大阪まで来てしまいました… 何なんでしょうか。

         

        昨年、「Bryan Ferryが来日するぞ」という告知があり。東京公演は当然のことながら参加するつもりでおりましたが、

        うわーチケット高っ!!!(笑)。

         

        さすがにこれは大阪は無理だわ、どうせ大きなホールなんだろうから観ても仕方な…… と思ってひょっとベニューを見ると、あれれ、なんばHatchじゃないですか。

        へえ……フェリー先生のような大物でもなんばHatchクラスの小さなところでやるのね、ふーん……………。

         

        なんですと!?

         

        というわけでチケットを取ってしまいました。

         

        うっそだろブライアンフェリーだぞ。

        スタンディングかよ?! 近くで見えるの? ありえないわ〜。

         

        まあ大阪大好きなので常に行く口実を探しているのは事実なのですが。

        これが「なんとかフェスティバルホール」のようなところだったら絶対に来なかったです。

         

        開始までの珍道中は別のところに書くとして、今回初めて堀江方面から行って、湊町リバープレイスのちゃんとした地下道入り口を発見しました…。

        リバープレイス、なぜか脳内で「リーベルプレイス」と読んでしまいます。南米サッカーか。

         

        私はAvalonからのRoxy Music「後追いファン」でありますが(その後のめりこみ全アルバムを聴き倒す。個人的ベストアルバムはSiren、ベスト曲はStreet Lifeの『Just Like You』です)、フェリー先生のソロライブは初めてです。

        正直、それほどソロ活動には興味なかった。しかーし、2010年のフジロックでRoxyをひっさしぶりに前で見てしまい、あまりに尊い経験なのでやっぱり見られる時に見ておくべきだ……と身に沁みたのであります。何しろ当時でさえ、若干フェリー先生お年を召された……という印象だったので。

         

        エスカレーターを上がると、ロビーはオールドファンの皆さんでとても賑わっていました。すごい熱気。普段エグゼクティブとして大阪経済を回していると思われるようなおじさま方や、きれいに着飾った女性がたくさん。

        わー。こんな安心感のあるライブは初めてです…!! 

        私なんか先週風邪引いたから白髪そのままにしてきたし。反省だわ〜。

        物販にもたくさんの人が辛抱強く並んでる。私は経済的にツライのでいつもの通り遠慮です…。

         

        ドリンクはビールを頼みましたが、缶を紙カップに自分で移し替える方式で、きっちり2杯分になっちゃって笑いました。両手に持つしかない。これはないな……(笑)。

        最初後ろの一段上がった所から見ようとしたんですけど(それでも十分近いので)、やっぱり欲が出てフロアに出てしまいましたねえ……。

        で、チビで見えないからどんどん前に行ってしまうんですよね……。気づいたらかなり前でした。

         

        久しぶりに会う昔の仲間がステージ前で「待ち合わせ」してる様などやはり微笑ましいです…(笑)。

        さすがに入り込んでくる若者も少ないし(全然いないわけではなかったが)。

        平和で素晴らしい……!!

         

        Set List(ネットから拝借しました。アリガトウゴザイマース)

         

        The Main Thing

        Slave To Love

        Don't Stop The Dance

        Ladytron

        Out Of The Blue

        Oh Yeah

        Tokyo Joe

        A Wasteland

        Windswept

        Bete Noire(eの上のアレが出ない…)

        Zamba

        Stronger Through The Years

        Don't Think Twice, It's Alright

        My Only Love

        In Every Dream Home A Heartache

        If There Is Something

        More Than This

        Avalon

        Love Is The Drug

        Re-make / Re-model

        Editions Of You

        Jealous Guy

        Let's Stick Together

         

        ↑オープニングの様子。どなたか知りませんがありがとうございます。

         

        ↑ SydneyでのOut Of The Blue。オセアニアからいらしたのね……。

          今向こうは秋なので、あまり季節のギャップもなく、いい時期にセッティングしましたね。

         

        チケット取る前に非常に心配だったのは、YouTubeで最近のライブを見たらフェリー先生の声がさすがに弱くなっていて、もしかしたら聴くに堪えないものなのではないか? ということでした。失礼な話ですが、もう年齢を考えたら仕方のないことです。しかーし。全然それはなかった。というか、声は確かにハスキーに変わっているし、張り上げる部分も減っているのですが、それがかえって味になっている!! 昔聴いた曲も全然違和感がない!! むしろ新しい魅力発見! さすがプロだわ。

         

        っていうか、やっぱりライブハウスだと近い!!

        もう出て来た瞬間からめちゃくちゃカッコイイので即鼻血が出そうでした。

        なんだこの輝くような色気。妊娠しそうだわ。

        奇跡ですかこの73歳は!!

         

        さすがにピアノの前に座っている場面も多かったですが、その姿も決まる。

        フェリー先生と言えばやはり類人猿的なダンスだけど、無駄な動きがなくなったためかえって若い頃よりカッコイイのでは!? 

         

        曲はさすがに全てが「短めバージョン」になってはいますが、この曲数はすごいです。

        前半「これを聴きにきたんでしょ」的な曲で固め、中盤にソロ作とそれに合う静かな曲で聴かせ(本人もピアノを弾きつつ休み、客も休み)、最後にヒット曲をこれでもかとぶつけてくるリストも完璧!!

        こんなにまんべんなくやるとは正直思ってなかった。

        昨年暮れあたりに、今回は「Avalon」ツアーだという情報も耳にしたので、定番のRoxyの旧曲に大満足!!!! 
         

        そして強く思ったのが、やはりこの人、80年代ニューウェーヴの祖だということです。

        特に中盤のソロ作にそれを感じる。

        「あ−、このフレーズ、わかる……!!」みたいな。

        この翳りのあるコード進行……。

         

        で、フェリー先生を最強のミュージシャンたちがしっかり支えています。

        どの人もテクニックがものすごい(まあ、そうでないとRe-make Re-modelのソロパートができないっつー話なんですが)。

        やはり輝いていたのがギターのクリス・スペディングさんと、サックスのジョージア・チャルマーズさんですね。

         

        スペディングさんはフェリーファンにはおなじみの方なので聴衆からものすごい拍手。黒づくめでおかっぱ頭のジョージアさんはスリムなシルエットがスパイ映画に出てくる小悪魔キャラみたいに美しく、しかもサックスの腕は完璧ときていて、私女なのに「フェリー先生抜きでこの人だけでもずっと見ていられる…」と思いました……。そしてヴィオラの女性も完璧で、目をつぶれば完璧に「うぉう、マッケイ先生とエディ・ジョブソンがいるう!!!」な感じだったし、ドラムの方もパワフルでポール・トンプソン寄り!!! ベースの方はこれでもかとダンスビートをつまびき出す!! やめろ踊るしかないだろう!!

         

        美声コーラスの女性2人もニコヤカでとてもいい感じで、ちょうど近くにいた私は穴のあくほど見つめてしまいました。すべてが絵になる……! もちろん視覚効果もしっかり考えてのメンバー選出なのでしょうね……。

         

        最後はしっかりアンコールではなく、さっと舞台袖に引っ込み、出て来たらそれが実はアンコールですぐ客電ついてしまうという展開でしたが、無理もない。お年を考えたらここまでたくさん歌っていただけるだけでも感激です。これ以上何を望みましょうや……。

         

        そしてなぜかこの箱にくると周りの人をすごく観察してしまうのですが、前には私よりちょっと年上の女性2人組がいて、もうすべての曲にはしゃいでいて、ああ、きっと少女時代から仲良く2人でRoxyのアルバム聴いて楽しんできたんだな〜、とすごく微笑ましかったです。ご重役たちも踊りまくりで…。いいなぁ、私ほんと70年代に青春を送りたかったですよ……。

         

        いつ来てもなぜかほんわかした気分で良いライブを楽しめるハッチ、ほんとにいい箱です。東京入れて一番好きです。素晴らしい。

         

        でもまあ、変な人もいました。

         

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        | music | 15:13 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        Cigarettes After Sex @ Liquidroom Ebisu, Nov. 06, 2018
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          昨年RIDEがホステスオールナイターに来たとき、トップバッターかつRIDEの前だったCigarettes After Sex。とにかく出て来た時から個人的な好感度が高く、しかしオールナイターでは時間的なものがあったのか眠くなってしまったので(笑)、単独待っておりました。

           

          そう、あとで気づいたんだけど、私The Starletsというスコットランドのバンドが好きで(残念ながらあまりつべで発見できない)、Vo.の声のトーンがよく似ています。もう嫌いなわけがない。

           

          で、リキッドルームだから、もうこれは絶対早く行って手すりのところで誰にも邪魔されず観ようと結構力が入ってたんですが、やっぱりMEWの疲れとか仕事の疲れとかあって、ボーっとしてたらしく、チケットを忘れて取りに戻る(涙)。着いたら開演15分前で、人がもう一杯でした。しかしなんとか段上に構えた。リキッドルームはほんとスタッフの方が有能だから好き。

           

          で、入ってすぐ、ロッカーくらいのあたりでもう違和感を覚えたんですけど……お客さん年齢層若くね?(笑)

          平均が30代以下って感じだったでしょうか。

          これは意外だった。えー。大人の楽しむ音楽でしょうが、どっちかと言えば。いやもちろん20歳過ぎれば大人ですけどね、でも2日前にMEWの轟音で大はしゃぎするおっちゃんおばちゃんを大量に見ているわけですよ。この落ち着いた、お酒どうしても飲みたくなるような音楽になぜ中年がいない?(笑)

           

          MEWでは目の前に頭がきれいに光られたおじさんが2人並んでいて何も見えず、惑星直列の真後ろに来てしまった自分を呪ったりしていたわけですが、CASは群衆の中に惑星の方はたった1人でしたね…(外国の方だったから意外と若かったのかもしれない…)。もう、スキンヘッドむちゃくちゃ探した。疎外感…。

           

          バンドの名前を知らずに逃した中年の皆さんのために一番有名な曲のMV貼り付けます。次は絶対見てね。

           

          で、まあバンド名がバンド名だし、音楽性が音楽性だし、観客若いからか、予想はしていましたが、いい感じのカップルがたくさんいましたね(笑)。金曜日だったらそのまま皆さん夜明かしできたでしょうに、火曜日とは勿体ない話ですね(笑)。

           

          私の近くにもそんなカポーがいまして、初め2人分の場所を取っていましたが、そのうち1人分になっちゃったので、ヤッターと思ってそこへ踏み込んだら、まぁ、Gregさんバッチリ見えるじゃないですか。あとはベースの方がよく見えましたね。他の人は見えませんでしたがまあいいです。演奏中カポーが変なリズムで動いていたので、かなり気にはなりました。

           

          曲がみんな似ているから、途中で本当に眠くなるかも、と思ったのですが全然。むしろ曲は全部違うと今度こそはっきりわかりました(笑)。

           

          ホステスの時もそうでしたが全員黒でキメており、音源を一切裏切らないテンションの保ち方。しかしやはり生の方がよく。特にギター音が音源より膨らんでいていい。

           

          これも想定内でしたが、Gregさんは2回しかしゃべりませんでした。やっぱり歌う声よりしゃべる声の方が低い。

           

          外国の方がかなりいて、時々ヤジるような野太い歓声も上げてましたが、それで表情が崩れることも一切なく、終始微笑んで。他のメンバーの方も寡黙かつ非常に穏やかで、茶々を入れることもなく、アホなことをするでもなく、トラブることもなく、しかし一切暗い雰囲気はなく。

           

          終始変わらなさを保てるってすごい、と逆に思いました。

           

          セットリスト↓(曲を知ってもらいたいので今回もリンクです)

          https://www.setlist.fm/setlist/cigarettes-after-sex/2018/liquidroom-tokyo-japan-43965b5b.html

           

           

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          MEW @ Ebisu Garden Hall, Nov 4, 2018
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            3年前のサマソニで観たときに音圧に完全に負け、そのせいで次の来日はすっ飛ばしたMEW。今回もだいぶ迷ったのですが、さすがにFrengersを再現するとなるとこりゃー観に行きたい。というわけで何も考えずにチケットを取りました。

             

            しかし、日曜日なんだよね。開場5:00、開演6:00。すごい早い(笑 助かるが)。

            恵比寿ガーデンホール、落語は良く観るけどライブはHostessくらいしか観てないので、もうどんな感じだったか完全に忘れてる。


            早めに行って恵比寿ぶらぶらすっか〜、くらいの勢いが朝にはあったのですが、いろいろあって(主に猫の接待)、結局開演ギリギリ。しかも、その日の夜放映されるドラマ「下町ロケット」の録画を忘れてた。たぶんライブは8時くらいに終わるとして、即帰れば半分観られると考え、荷物を預けるのはやめといた(そうか、ガーデンホールはゴミ袋方式なのですね)。

             

            Frengersはスクリーンの映像がメインですから(ええ)、前の方で観る気はなかった。すでに一杯でしたし。いや、ホントすごい動員人数ですね…。やっぱり出やすいようにと思って、端っこに構える。ステージからの距離はちょうど真ん中らへんでしたでしょうか…。

             

            お客さんが… ああ、MEWファンもこんな年代になってしまったのね、という感じで…(私がどうこう言うべきじゃないですね、すいません 笑)。皆さんお子さんの晩ご飯とか大丈夫でしょうか…。

             

            そんな感じで非常に見づらかったのですが、ヨーナスたんだけはばっちり見えました。ラッキー! ヨハンも時々見えた。他の人は無理だった…。

             

            セットリスト↓

             

            一般の部

            Repeaterbeater

            Special

            The Zookeeper's Boy

            Satellites

            Candy Pieces All Smeared Out

            King Christian

            Apocalypso / Saviours Of Jazz Ballet

            Louise Louisa

             

            -10分休憩-

             

            Frengers

            Am I Wry? No

            156

            Snow Brigade

            Symmetry

            Behind the Drapes

            Her Voice Is Beyond Her Years

            Eight Flew Over, One Was Destroyed

            She Came Home for Christmas

            She Spider

            Comforting Sounds

             

            好きだからSatellitesを載せるよ

             

            会場のアナウンスで2部構成になると聞いた時は「あ、もしかしてこれ3時間コースか (^^;)」と思ったのですが、Frengersの部はけっこうつなぎが短く、あっという間に終わってしまいました。

             

            休憩の時にトイレに行ったら、混みすぎてて元の場所に戻れなくなり、どうせ映像を見るからと思って後ろの方に下がりましたが却って何も見えず、大変つらかったです(笑)。

             

            しかも私、Frengersを先にやるんだと思ってましたが、逆でしたね。まあ大体おいしい方が後ですよね…。しかし前半部分ですでに盛り上がってしまい、ちょっと疲れが…(笑)。

             

            そういや、私必ずアルバム買ってるつもりだったんだけど、知らない曲があって焦りました。なんと、2017年に出たアルバム(Visuals)をまだ聞いてなかった!!(自分でも信じられない…… そのうち、と思ってるうちに1年が過ぎてしまったのだ……ブログに貼り付けてあるのに(笑) 

            年取るっていやだわ… しかもすっごくいいじゃないか……!! マジで自分好み……!! )


            そんなわけで映像の断片を観ながら、自らとMEWの関わりを色々思い出してました。

            以下ライブとはあまり関係ない内容になるので、興味ない方はスルーしてください(そして急に重くなります)。

             

            (そういえば猫を飼い始めたので猫に目が行ってしまったのですが、元々あんなに出てましたっけ? そうなんだろうな。私が猫コンシャスになっただけなんでしょうね)

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